出石町史年表より抜粋
西暦 | 元号 | 出来事 |
1784 | 天明4 | 伊豆屋弥左衛門 、丹波の焼き物職人久八に作陶(試作)させる《土もの出石の創始》 伊豆屋弥左衛門、藩有地(桜尾)の一部を借り受けて土焼き本窯の築造にかかる 伊豆屋弥左衛門、初窯作品窯出しに成功し、初穂として藩役人などに配る |
1785 | 天明5 | 伊豆屋弥左衛門、江戸表の藩主仙石久行に本窯初穂として「旅枕花入」を献上する(七月藩主帰国時に酒代百疋を下賜される) |
1787 | 天明7 | 出石藩、焼き物商売、松割り木の払い下げ等を認める 伊豆屋弥左衛門、大阪の職人やわたや勘七・京職人近江屋吉兵衛を雇い入れて事業を拡張する |
1788 | 8 | 伊豆屋弥左衛門、素焼き窯などが焼失し、大打撃を被る(以後経営は好転せず) |
1789 | 寛政1 | 肥前平戸領木原村石焼職人兵左衛門、出石に来る(約1ヶ月間伊豆屋に滞在し、焼物に従事する) 《磁器出石焼の創始》 |
1793 | 寛政5 | 肥前平戸領木原村石焼職人兵左衛門、再び出石を訪れる(小谷[但東町]原石を使って初焼きを試み、以後改良を重ねる) 伊豆屋弥左衛門、出石で初めて磁器焼成に成功する(桜尾の伊豆屋窯) |
1799 | 寛政11 | 出石藩、兵太丸窯(日野辺)を藩有に切り替え直営とする 出石城下の柿谷・鶏塚で有名な原石(磁器原料)が発見される |
1801 | 享和1 | 出石藩、藩窯を採石地(柿谷・鶏塚)に近い城東の谷山字大谷に移し、磁器生産を開始する |
1826 | 文政9 | 出石焼窯元伊豆屋弥左衛門、窯を福住字浦山に新築して再開する |
1830 | 天保1 | このころより1844年ころまで民間諸窯が勃興する《出石焼の興隆期》 |
1832 | 天保3 | 因幡屋(奥田)勘五郎、城下西部の下村(福住)花山に窯を開く 鹿児島屋(秋山)粛平が下村(福住)寺屋敷、伊佐屋(加藤)忠治が城下東部の谷山椋谷、七味屋(角岡)平八が谷山楊枝谷にそれぞれ開窯する。 |
1838 | 天保9 | 大黒屋(武田)喜平、伊佐屋窯(土焼き)を譲りうけて石焼きを始める 藩窯(大谷窯)の全面委託を受けて営業を続けていた茜屋(森島)善右衛門、経営難に陥り、新たに和泉屋(長谷)六右衛門の経営参加を得る |
1847 | 弘化4 | 出石藩、用人堀深作、郡奉行波多勘佐衛門・勘定奉行西山平左衛門らを「焼物方がかり」に任じ、焼物生産奨励の体制を整える(産物会所の充実を焼物生産に求める) |
1876 | 明治9 | 肥前有田の陶匠柴田善平、柴田虎之助・柴田福蔵を随伴して出石に到着する 《出石焼の改良》 盈進社(えいしんしゃ)の設立 |
1877 | 明治10 | 盈進社、第1回内国勧業博覧会に作品を大量出品し、一躍出石磁器の名声を天下にとどろかす 盈進社、白磁作品をパリ万国博覧会に出品する(開催は翌年) |
1881 | 明治14 | 出石郡細見村飛谷で出石焼の原土(白陶土)が発見される |
1885 | 明治18 | 盈進社、廃業 |
1898 | 明治31 | 出石郡会、窯業の保護奨励を求めて、次年度より試験費としての継続補助を決議し、予算提案を出石郡長新井智三郎に建議する。 出石郡長新井智三郎、出石焼改良のための試験所の設置、有能な教師の招聘が必要であるとして、その旨を県知事に具申する 出石郡長新井智三郎、出石町長および陶磁器業者と計り、金沢の友田安清を雇って陶磁器の改良を図る |
1899 | 明治32 | 兵庫県知事大森鐘一、県会の議決を得て、窯業者武田喜平治・宮崎久太郎・上田直蔵・保田平三の四人の願書を徴して補助金五百円の下付を許可する(前期四人に川北彦太・荒井兵之助・内海又助らが加わり計7人となる) 陶器教師友田安清、妻子を携え来町する 友田安清、資母へ陶土を探求する 兵庫県、出石に陶器試験所を設置する。 |
1900 | 明治33 | 友田安清(九渓)を教師に招聘し、陶器試験所を開業する |
1902 | 明治35 | 友田安清、新装出石焼(月の出水図飾皿)をセントルイス万国博覧会に出品し、金賞を受賞する 窯業者、出石陶磁器改良株式会社を組織する |
1904 | 明治37 | 出石町会、陶磁器業改良発展するため、臨時委員4人を設置する規定を可決する |
1905 | 明治38 | 出石町、陶磁器の清・韓輸出品の製造普及改良試験実施指導教師に平尾甚吾を聘す |
1906 | 明治39 | 出石陶磁器改良株式会社および試験所を閉鎖する(後、武田角蔵・平尾甚吾の私営に移る) |
1910 | 明治43 | 出石陶磁器改良株式会社を解散する |
1911 | 明治44 | この年陶磁器の売れゆき良好なれど職工不足 |
1918 | 大正7 | 出石町、陶磁器隆盛を誇る(輸出前年の2倍に増加) |
1926 | 昭和1 | 第1回出石焼意匠協議会を開催する |
1930 | 昭和5 | 県営窯業作業場設置原案、最終県議会を通過する 窯元、職工賃下げに係る争議(同年2月から3月にかけて20日間)出石警察署長・町長の調停により解除する |
1931 | 昭和6 | 出石町、県立出石窯業作業場地鎮祭を行う(同年10月27日起工式) 出石陶業組合を設立する |
1932 | 昭和7 | 県立出石窯業作業場が竣工する(4月27日落成式及び開所式) |
1934 | 昭和9 | 県立出石窯業作業場、陶器業発展の座談会を開催する |
1938 | 昭和13 | 出石窯業販売購買利用組合を設立する(日用食器などを製造) |
1943 | 昭和18 | 兵庫県神戸工業試験場・代用品協会、出石町公会堂で陶磁器代用品懇談会を開催する(出石焼を金属代用品に転換) |
1948 | 昭和23 | 出石焼作家永澤実(号永信)日展に入選する |
1950 | 昭和25 | 出石陶鉱業組合、室埴村日野辺で出石焼の原石となる新鉱脈を発見する |
1952 | 昭和27 | 出石窯業試験場の指導により、低品質原料石を有料化する脱鉄中間試験場が完成する |
1954 | 昭和29 | 出石窯業試験場長、陶磁器原料に不可欠の加粘材料である蛙目粘土に代わる三田産の廉価な”白土”の活用法を発見する |
1968 | 昭和43 | 県立但馬工芸指導所出石窯業所を廃止する |
1980 | 昭和55 | 「出石焼」国の伝統的工芸品に指定される |
1983 | 昭和58 | 町立史料館、出石焼特別展を開催する |