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出 石 小 唄 (解説版)
作詞・野口 雨情 作曲・和田 風来
@ アー鶴は目出度や 但馬の出石 ヨイヨイ ヨイトナ
松に来て舞ひ 来て遊ぶ 来て遊ぶ ホンニソヂャソヂャ ソヂャナイカ
(第二聯以下囃子詞省略)
※「鶴」とは、今では珍しくなったコウノトリのことです。出石では鶴と呼ぶ。
A 出石縮緬 名もなつかしく 着たらはなせぬ 肌ざはり 肌ざはり
※
B 鮎は瀬をゆき 蛍は草に 月は鶴山 山の端に 山の端に
※清流を好む鮎が泳ぐ出石川。鶴山とはコウノトリが群生した場所です。
C 椅縹のよいのぢゃ 出石の育ち 色のよいのぢゃ 出石焼 出石焼
※キリョウとは人柄・人としての器の大きさ。イロとキリョウを韻でかけてあります。
D 太鼓櫓に 昔をしのぶ 出石ァ名の出た 城下町 城下町
※太鼓櫓とは辰鼓楼。日本最古の時計台。昔は但馬の中心都市であった城下町出石。
E 花も見事に 権兵衛さんの桜 誰が植ゑたか 御代の春 御代の春
※天下の大泥棒「石川五右衛門」を捕えた伝説の仙石権兵衛を祀った城跡の隅櫓。
F 出石宗鏡寺 夢見せ鐘は 軒でぶらりと 昼寝する 昼寝する
※全国でも有名な名僧「沢庵」ゆかりの寺。鐘の名前は「願いの鐘」とも呼ばれている。
G 入佐山から 城山かけて 啼いて渡るは 時鳥 時鳥
※入佐山は出石高校のふもとにあり散策コースとしても人気がある。
H 三日三晩の 初午祭り 町はわきたつ 人の波 人の波
I 出石なつかし 住みよいところ 鐘のひびきも 朝夕に 朝夕に
※出石の寺の多さは但馬随一。それは敵の侵入を防ぐ城主の知恵。
J 一の宮様 朱ぬりの御門 咲くは白藤 お庭前 お庭前
※一の宮とは出石神社。天日槍が祀られる。宮内地区は、かって政の中心であった。
K 出石鶴山 日南の松に 鶴は巣をくみ 巣に籠る 巣に籠る
※コウノトリは松の木の上に巣をつくることで知られています。
※白磁が美しい出石焼。野口雨情も手にとってみたことでしょう。